謹賀新年

昨年中は並々ならぬご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます。
本年も、なにとぞよろしくお願い申し上げます。
皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。

Photo by GKT Nakajima

2021年元旦
GKT事務局

【緊急開催】命とこころのシンポジウム「あなたの中のゲートキーパーを探す」

今回のシンポジウムでは、昨今の社会状況を鑑み、伝説のドキュメンタリー映画『みんなの学校』の大空小学校初代校長・木村泰子さんをお招きして、講演をしていただきました。その後、日本ゲートキーパー協会TOKYO(GKT)の心理非専門職メンバーと「みんなの中のゲートキーパー」についてディスカッションを行いました。

※ご本人様からのご要望により「先生」ではなく木村泰子さんと表記させていただきます。

弊会にとって初のFacebook Live配信です。当日の模様は再配信として弊会ページにて公開しております。このブログの最後にURLがございますので、ぜひご覧ください。2時間15分、見ごたえたっぷりの動画になっております。

弊会からは司会進行兼モデレータとして代表理事森本、アドバイザーとして穂積、パネリストとして林、菅原、大久保の3人が登壇いたしました。

始まる前の様子

緊急開催にもかかわらず、当日は40名以上のご視聴・ご参加となりました。多数のご感想やご意見をいただき大いに盛り上がっただけでなく、予想外のトラブル発生にも視聴者のみなさまのご協力により無事進行ができました。感謝の気持ちでいっぱいです。この場をお借りして御礼を申し上げます。

イベントページに興味を持ち、ご覧いただいた方の総数はなんと3,010名!シンポジウム終了後、イタリアから視聴していたとのメッセージもいただき、ゲートキーパー活動に対する関心の高さは国の内外を問わないのだと感じました。

開会のあいさつ
(イベント目的と、ゲートキーパーの説明、GKTについて)
担当:GKT森本
基調講演:私の中のゲートキーパー
講師: 木村泰子さん
パネリスト3名による発表
テーマ:私の中のゲートキーパー
パネルディスカッション:あなたの中のゲートキーパーを探す
閉会のあいさつ、お知らせ
担当:GKT森本

基調講演では「私の中のゲートキーパー」について、初代校長として勤めていらした大空小学校でのご経験も含め木村泰子さんのお考えを熱弁いただきました。続いてパネリストから各々の体験を元に自身にとってのゲートキーパーとはどのような存在かという話をいたしました。その後、木村さんとパネリストでパネルディスカッションを行いました。「ゲートキーパーは決して特別な人ではない」ことや、「周りの安心できる人を巻き込んで悩みを話し合い、そっと見守るのが大切である」ことについて議論をしました。

最後に、穂積、パネリスト3名からの感想とコメントです。

GKT副理事 穂積

自殺予防の取りくみ、と聞くとびっくりされる方がいらっしゃるのですが、私たちが目指しているのは、「繋がる社会」です。
「繋がる」には、

    • お互いの違いを知ることや楽しむこと
    • 相手のニーズを聞いたり想像してみたりすること
    • ゆるりとささやかながら、手を離さない繋がりを作っていくこと
    • 自分や人の疲れを感じられること

が大事だよね!と、沢山の学びをいただいた会でした。

GKT理事 林

ゲストの木村泰子さんやGKTメンバーとのディスカッションを通して、「誰でも、誰かのゲートキーパーになれる」ということを再認識することができました。
新型コロナウィルスの感染拡大により、社会全体に不安が広がっているように感じますが、「孤立・孤独」を防ぐためにもゲートキーパーの輪を広げていきたいと思います。

GKT理事 菅原

ゲートキーパーは誰でもなれるけれども、誰でも良い訳ではない。大事なのは、味方になりきる姿勢で安心できる場を作られるか。そのような人が増えればお互いを見守り支えあう社会が形成され、子どもの自殺者数649人(2018・2019年文科省調査)は大きく下がり、幸福度は大きく上がると思う。ゲートキーパーの大切さを再確認できた。

GKTアソシエイトディレクター 大久保(Paul)


仲間の話、発見があり面白かったです。
物事が上手く進まず段取りの悪いことに対して、苛立たれてしまうか、心配されるかは主催と参加者の同心性に依拠すると思われます。また、その失点をその後挽回できたかどうかは参加者の表情や雰囲気で分かるのがライブ。これは私のPCが固まった反省含め思ったことの一つです。

当日の様子は下記URLからご視聴いただけます。概要欄には時間指定を記載しておりますので、そちらを目安にご覧ください。

【緊急開催】命とこころのシンポジウム「あなたの中のゲートキーパーを探す」イベントページ

https://fb.watch/24U4d_fqlN/


次回イベントのお知らせ

下記URLからお申込みいただけます。

https://gkt2020103.peatix.com/

10/14 企業・支援者向け ゲートキーパー講座を行いました

皆さんこんにちは。10/14にMS&ADアビリティワークス株式会社さま(以下AW)にてゲートキーパー講座を実施させていただきました。密を避けての対面とオンラインを併用しての講座は大変密な時間でした!

AWのみなさまと森本(写真前列中央)

これからの益々のご発展とお祈りするとともに、一緒に成長していけることを嬉しく思います。

AWは平成30年に設立された特例子会社です。障害の有無に関わらずイキイキと働くために、環境や心身を支える支援者の皆さまへの講座です。孤立させない、成長を信じきるという、ゲートキーパーマインドはこれまでも皆さまが育まれたそのもの。さらなる成長を目指して、スタッフの皆さんのみならず、社長自らご参加くださったこと、我々も大感激でした。

MS&ADアビリティワークス株式会社HP
https://www.ms-ad-abilityworks.co.jp/

〔GKT事務局〕

8月23日 ゲートキーパー養成講座(入門編)をオンライン開催

みなさま、こんにちは。今回は8月23日に開催した「ゲートキーパー養成講座(入門編)」の報告です。

今回初めて日曜日の日中開催となりました。初級編ということで、ゲートキーパーとは何か、どのようなことをするのかを、具体例を入れつつ話させていただきました。9名の方々にオンラインでご参加いただき、有意義な時間を過ごすことが出来ました。ファシリテーターは、精神保健福祉士・特別支援教育士の武隈智美(GKT理事)が務めさせていただきました。

当日の様子。記念写真は照れ屋さんにスタンプをのせて。
当日の様子。記念写真は照れ屋さんにスタンプをのせて。

参加されたみなさまからのコメントを紹介します。

入門編として時間も短時間で適切であったと思う。
また講師の話もコンパクトに纏まっており説明も上手く分かりやすくてよかった。
(Rockyさま)

Rockyさまへ
受講いただきありがとうございます。必要な情報を、うまく纏めてお届けできていたならばうれしいです。まずは、出来ることを出来る範囲で。今後とも、ゲートキーパー仲間として、よろしくお願いします。

講義のペースがとても良かったです。
各場面の具体例(大丈夫?と聞いても大丈夫だからと返答された場合など)があって良かったです。
もっと専門的な講座もあったら受けたいなと思います。
(tomoさま)

tomoさまへ
ご参加ありがとうございました。「自分にできること」を考えるきっかけになれば嬉しいです。具体例はものごとの理解に役立ちますので、要所で入れるようにしています。講座のアドバンス編については現在、企画中です。来年開催予定ですので、アドバンス編で是非お会いしましょう!

全てご紹介できずに恐縮ですが、みなさまの言葉は大変励みになります。ありがとうございました。

今回、ファシリテーターを努めた武隈よりメッセージです。

例えば「今日出会ったりすれ違った人で何人がメガネをかけていましたか?」という質問をしたとします。皆さんは答えられますか?
おそらく、知っている人の顔はなんとなく思い浮かぶけれど、知らない人のことは思い出せないでしょう。たまたま会話をしなかった、ついつい自分の手元に集中していて、すれ違ったことにすら気づかなかったという人もいるかもしれません。
ではもし「今日はメガネをかけた人に注目してください」とお願いをしたらどうでしょう。最初からメガネに意識が向くのではないでしょうか。
ゲートキーパーの「気づく」というステップがまさにそうです。気づくために自分がどこに意識を向けるのか。講座でお伝えしたことが皆さんの学びのきっかけとなり、ゲートキーパーとしての最初の一歩に繋がると信じています。
「だれかが自分を知っている、見守ってくれている」そんな社会を一緒に作っていきたい・・・その活動を続けて参りますので、今後とも応援いただけますと幸いです。ありがとうございました。
武隈智美

〔GKT事務局〕

ゲートキーパー芸術祭

9月10日はWHOが定める「世界自殺予防デー」。
また、9月10日〜16日は厚生労働省の定める「自殺予防週間」です。さらに9月は東京都の「自殺対策月間」です。

これらの国際デー、予防週間や対策月間は、自殺についての誤解や偏見をなくし、自殺対策を推進することを目的としています。

そこで日本ゲートキーパー協会TOKYO(GKT)では、「生きる」の支援をより多くの方に知っていただくために芸術祭を企画しました。「生きる」テーマにした芸術作品を募集したところ、ゲートキーパーの方々が力作を送ってくれました。

それでは作品をご覧ください。そして、込められた思いがみなさまのこころに寄り添えますよう。

〔GKT事務局〕

※ BGMが流れます。音量にはご注意ください。
※ 動画の容量の関係上2つに分割していますが、弊会Facebookページに掲載している動画と同じ内容です。

※ 団体名誤表記についてお詫びと訂正「ゲートキーパー芸術祭」動画において、以下の誤表記がございましたので、お知らせと共に謹んでお詫びし、訂正させていただきます。
(誤)自殺予防団体-PSbyMD- →(正)自殺予防団体-SPbyMD-
皆様にはご迷惑をお掛けしましたことを重ねてお詫び申し上げます。

ゲートキーパー芸術祭/作品募集

9月10日はWHOが定める「世界自殺予防デー」。また、9月10日〜16日は厚生労働省の定める「自殺予防週間」、さらに9月は東京都の「自殺対策月間」です。

日本での自殺者数は減少傾向にあるものの、その数自体は決して少ないと言えません。そして、自殺に追い込まれるという危機は誰にでも起こりえることでもあるのです。これらの国際デー、予防週間や対策月間は、自殺についての誤解や偏見をなくし、自殺対策を推進することを目的としています。

自殺対策は「生きるための支援」であり、ゲートキーパーは「生きることを支援する人」であることから、日本ゲートキーパー協会TOKYO(GKT)ではご協力いただけるゲートキーパーの皆さまと一緒に「生きる」を支援するべく、「生きる」を想起させる芸術作品が集う「ゲートキーパー芸術祭」を開催します!

具体的には「生きる」をイメージした写真・イラスト等の作品を募集し、応募いただいた作品で作品集(動画)を作成、GKTの Facebookページ、ホームページに掲載させていただきます(9月10日予定)。

コンテストではありませんので、ランク付けは行いません。そして、残念ながら賞品もございません。この芸術祭は、皆さまの作品で自殺対策ならびにゲートキーパーの普及や啓蒙にご協力いただくことを目的としております。奮ってのご参加、お待ちしています!

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応募期間:2020年9月5日23:59まで

募集作品:写真、イラスト、絵画、書道など

応募資格:誰でも(プロ・アマ問いません)

応募要領:作品と次の項目を本Facebookページのメッセージにてお送りください。

NPO法人日本ゲートキーパー協会TOKYO Facebookページ

https://www.facebook.com/gktokyo

  • デジタルデータ化された作品
    • ファイル形式は JPEG または PNG
    • ファイルサイズは10MB以内
    • 写真はスマホ、タブレット、カメラで撮影したもの
  • 掲載希望のお名前(ペンネーム等)
  • 作品タイトル
  • 作品に込めた想い、説明などコメント(100字まで)

※ 動画作成の過程で編集上の都合により、作品を最小の範囲において加工する場合がございます。ご了承ください。

【著作権、肖像権等へのご注意】

  • 応募作品に関する著作権は応募者に帰属するものといたします。
  • 第三者の肖像や、プライバシー及び著作物を含む応募作品に関して、ご応募作品の著作者様より、本イベントへの応募、及び弊会による使用について、事前の使用許諾・承認を受けたうえでご応募ください。
  • 応募作品が第三者の肖像権、著作権、パブリシティ権その他の権利を侵害している状況、またはそのおそれがあることにより生じる一切の事項については、応募者が責任をもって対応していただくものとし、弊会は一切関与をいたしません。

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初めてオンラインでゲートキーパー養成講座(入門編)を開催!

みなさま、こんにちは。暑い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。今回は、去る7月29日にオンラインで初めて開催した「ゲートキーパー養成講座(入門編)」の報告をいたします。

当日は10名のみなさまとともに有意義な時間を過ごすことができました。遅れ馳せながらの初オンライン開催でしたので、何度もリハーサルや事前確認をして挑んだのですが、途中で回線が落ちてしまうというアクシデントも・・・しかし、トラブルにも皆さまがご協力くださったことで解決でき、人と人の繋がりとゲートキーパーの大切さを改めて強く実感する機会となりました。

続いてご参加のみなさまからのコメントを紹介します。

自分でもできることがある、小さな気づき、ちょっとした声掛け、名前を呼んで話し出す・・・日常生活でできるベビーステップを具体的に知れました。
(まぁみさま)

まぁみさまへ。
できることをできる範囲で。まずは、「やってみたい!」と思って頂くことが目的でしたので、無理のない最初の一歩、ベイビーステップを感じてくださったことを嬉しくおもいます。ありがとうございました!

サインを見逃さない、提案、そのままでOK、そっと見守ることが関連づけて学べたのがよかったです。そして最後に、いざという時に自分の身を守ることに役立つという点は、まさにその通りであると感じました。
(森岩城さま)

森岩樹さまへ。
コミュニケーションをもって誰でも誰かのゲートキーパーになれますし、自分自身とのコミュニケーションを取ることも大切です。そんな思いを汲み取ってくださりありがとうございます^^

全てご紹介できずに恐縮ですが、みなさんのご感想は大変励みになります。ありがとうございました。

今回ファシリテーターを務めた森本よりメッセージです。

このコロナ禍で、今の日常が、今までの日常とは大きく違っています。こんな時こそ、また今後ますますゲートキーパーの役割は大きくなっていくはずです。ちょっとしたゲートキーパーマインドが誰かの「ほっとできる」に繋がります。出来ることを出来る範囲で、皆で一緒にゲートキーパー活動を続けられると嬉しいです。

次回講座は、8月23日(日)の13:30から、オンラインでの開催です。

下記リンクより詳細の確認とお申し込みが可能です。

https://gkt200823.peatix.com/

みなさまのご参加をお待ちしています。

〔GKT事務局〕

6月24日 ゲートキーパー養成講座(入門編)を開催しました

みなさま、こんにちは。すっかり遅くなりましたが、先月開催した『ゲートキーパー養成講座(入門編)』の報告です。

緊急事態宣言が終了してから間もないにもかかわらず、6名の参加者が会場に足を運んでくださいました。新型コロナ感染対策の観点から、会場のレイアウトや講座の進め方など運営側も戸惑いながらの開催でしたが、みなさまのご協力で安全に配慮しつつ楽しく過ごすことができました。

参加者のみなさまとファシリテーター大久保(前列左から2人目)

ご参加いただいた方からのコメントを紹介いたします。

「ちょっとした心掛けからいつでもゲートキーパーになれますよ」というメッセージは、更にいろいろ学んでみたいという気持ちを持つきっかけになりました。(竹井和也さま)

入門講座でしたがとてもわかりやすかったです。自殺のファクトの認識不足を気づかせて頂きました。ありがとうございました。(継之助さま)


参加された方からのコメントは大変励みになります。ありがとうございました!

続いて、今回ファシリテーターを務めた大久保よりメッセージです。

人と人との関係とその作り方を新たに問われる時代になりました。禁足令(?) 明け初の講座に足を運んでいただい方々のこの場への想いにどこまで応えることができたのだろうか・・・まだまだ精進が必要と感じています。オンラインでのイベント参加が増える中でライブに足を運ぶというのは結構ハードルが高いはずです。ご参加に感謝しています。そして、私も次へ欲が出てきました。皆様またお会いしましょう。 〔GKT 大久保 光男〕

なお、次回は7月29日(水)の19時から、初のオンラインでの開催です。
みなさまのご参加をお待ちしております。

〔GKT 森本 美花〕


ゲートキーパー養成講座〔入門編〕オンライン#1

下記リンクよりお申込みいただけます。

https://peatix.com/event/1546548/view?k=12d2c7a2e442934c0869ca7214cd063b812a25f3

おとなの睡眠・こどもの睡眠

新型コロナウイルス拡大によって、リモートワークをされている人が増えています。そんな中、皆さんの睡眠リズムはどうでしょう。ぐっすり眠ってスッキリ起きられていますか?よい睡眠は、怒りっぽくならずにご機嫌で過ごせる下地を作ります!

今回は日本ゲートキーパー協会TOKYO(GKT)理事で精神科医の穂積桜が「睡眠の知識」をお伝えします。

日本人の睡眠:おとなもこどもも世界最短

皆さんすでにご存知かもしれませんが、おとなもこどもも日本人の睡眠は世界最短です!0〜36ヶ月のこどもの睡眠時間についての報告を見てみましょう。

出典:Mindell et al.  Cross-cultural differences in infant and toddler sleep. Sleep Medicine 11 (2010) 274–280    

赤の線がベッドに入った時間で、青の棒グラフが睡眠時間です。

どうでしょう。他の国に比べ、日本のこどもの睡眠時間が短いことがお分かりいただけたでしょうか。

コロナで通勤時間は短縮するかも!コロナがもたらした意外な影響

こどもの睡眠はおとなの生活習慣の影響をダイレクトに受けます。日本の働く世代の睡眠不足は深刻で、残念ながら年々悪化しています。

寝かしつけをするおとなの帰宅時間が遅ければ、こどもの寝る時間が遅くなるのは当然です。

出典: 目覚め方改革プロジェクト

しかし、新型コロナ拡大に伴い、リモートワークが広がるのを見て、私はここにひとすじの希望を感じています。リモートワークによって通勤時間がなくなる、または短くなると、生活時間を調整する余地が出てくるかもしれないからです(ただし、学校や学童、幼稚園、保育園などが正常稼働した後の話ですが)。

今は通勤時間が長くて、寝かしつけが遅くなってしまうご家庭も、今後は生活スタイルの選択肢が増えるかもしれません。

ポストコロナに向けた体内時計の準備

さて、当面新型コロナ禍が落ち着くまで、私たちが気をつける点は何でしょう?それは、こどもの体内時計リズムです。

こどもは、おとなよりも光への感受性が高く、体内時計が影響を受けやすいのです。具体的には寝る前に光を浴びると、宵っ張りになりやすいことがわかっています。

一説には、水晶体がすごく澄んでいるからという話もありますが、夜寝る前のスマホや動画、テレビ、パソコンなどは、おとな以上にこどもの体内時計に影響してしまうのです。長い休み(自粛生活の今もある意味では長い休みですね)の後は不登校のこどもが増えますが、体内時計が休み中に乱れてしまい、朝起きられなくなるこどもが一定割合いることもわかっています。今から、ポストコロナに向けた体内時計の調整を心がけたいですね。

また、就寝中に体を休めて免疫を整えたり(コロナにかかりにくくすることも含まれます!)、体や脳が成長するためには、メラトニンという熟睡ホルモンが大きな役割を果たすと言われています。

このメラトニンは、日中浴びる光の量と時間に比例して、夜中にたくさん放出されます。皆さんも海や山で一日中、キラキラ光るお日様のもとで遊んだ日の夜は、泥のように眠った経験があると思います。

一日中在宅だと外の強い光を浴びることができず、メラトニンが出にくくなってしまっているかもしれません。

「こどもがうまく睡眠を取れていないみたいだ」「熟睡していない」「睡眠リズムが崩れてきた!」という方は、ぜひ以下のことを試してみてください。

1:周りに人の少ない朝やお昼休憩時は外で遊ばせる

2:屋内でも、窓際やベランダ、駐車場など外の光を浴びられる場所で過ごす時間を作る(雨の日でも外の光は室内の電灯とは比べものにならないほど強いのです!)

3:就寝1時間前からは、スマホ、動画、テレビ、パソコン以外のことをさせる

(筆者は、子供が寝る1時間前から居間の電気を薄暗くし、薄暗い中でお風呂に入れ、そのあとは布団でトンネルを作ったりおばけごっこをして、最後は本を読んで寝かせることが多いです)

学校や保育園の休校・休園に伴い、在宅でこどもと一緒に一日を過ごすと、仕事を終わらせる前に力尽きてしまうこともあるかと思います(私もそうです!)。夜は、寝かしつけの前にうっかり動画を見せてしまってこどもがいつもより宵っ張りになり、日中に終えられなかった作業をする時間がさらに短くなる・・・こういう悪循環は起きていませんか?私も2歳児を育てる母親ですが、こどもの夜更かしは良くないと思っていても、たまにこうなってしまう日もあります。

そんな日は仕方がないとして(気にしすぎないようにしましょうね!)、翌日の夜からは「寝る前は薄暗く」の生活に戻してみましょう。

また最近人気の自宅キャンプもオススメです。体内時計が夜型(宵っ張り)になったおとなたちを対象として1週間キャンプ生活を送らせた結果、体内時計が自然に戻った、という面白い研究報告もあります。長い自粛生活ですが、ここから体内時計を戻して、コロナ禍が過ぎた頃には前よりも健やかな睡眠が皆さんに訪れますように!

〔GKT 穂積桜〕


 

旅の深呼吸

皆さんこんにちは。GKT理事の宇野浩です。ご自宅で過ごす時間が増えていらっしゃると思いますが、今日は、一緒に旅した気分になっていただけたらと、私がずっと続けている「旅」について、少しお話したいと思います。

2006年から続けてきた全国の旅。思い立って40過ぎから大型バイクにまたがり、中年ライダー気取りで走破した距離は延べ2万キロに及びます。

東京から青森までの800キロ。連絡船で4時間、函館から稚内まで650キロを走行し、そして日本最北端の稚内宗谷岬をスタート地点として、順次北から南へ。そして、沖縄先島諸島、南波照間までを走り抜けました。

ただし、やみくもには走っている訳ではありません。ポケットには司馬遼太郎の紀行文集『街道をゆく』をしのばせながら、司馬が歩いた諸街道を、本に沿って忠実に足跡をたどっているのです。司馬が観た風景、司馬が出会った人々、泊まった宿屋泊まった部屋へ自分も訪ねて同じように寝てみます。司馬が見て感じ、伝えようとしたものはなんだったかを、その場で感じ取る旅にしたいのです。

私たちは日常生活の中で、特別意識せずに過ごしていること、身についていることがあります。たとえば、なぜある行為を「恥」だと感じるのか、「侘び」の心根はどこにあるのかなど。それを理解するヒントが『街道をゆく』にはあります。また、代々大切に守り受け継いできたこと、長くにわたり祈りを続けてきた場所、伝統として磨き伝えられてきた技なども多く紹介されています。『街道をゆく』の中にそのヒントが沢山見いだされます。一方地場では、歴史を作ってきた人々の心に触れることもできます。オホーツクモヨロ貝塚を発見した考古学者の米村喜男衛翁、探検家の最上徳内と松田伝十郎、思想家の秋田安藤昌益、東洋史学者の内藤湖南、民俗学者の菅江真澄や上勢頭亨(かみせど)など、それは綺羅星のごとくに尽きません。その大きな思想、知識が育まれた風土や土壌はどのような姿であったか、その原風景に立って思いを馳せるのが楽しみのひとつです。

また『街道をゆく』をたどることで、3つのキーワード、米・鉄・禅に行き当たります。この視点で読んでみると、司馬はキーワードから独自の視点で歴史・地理・人物について考察し、日本人の「元」、日本の「祖型」を3つの言葉から解き明かそうとしたのではないかと思うのです。

現代に生きる私たちが何故その様に振舞うのか、何故そう感じるのかなど、私も司馬のように「心のありか」を自分なりに感じ取ることをライフワークとして、今年もその先の『街道をゆく』たどる旅を続けています。

〔GKT 宇野浩〕